鈍感力

日本では、気遣いが出来て、人の感情に敏感な事は素晴らしいと

考えられている様に私は感じています。

この考え方自体は素晴らしいし、その様な人になりたいと常々考えていました。

 

ただ一方で、人の感情に鈍感な事が評価され力となっていて、

鈍感力という物もあるそうです。

渡辺淳一さんのエッセイで出てきた言葉で、

2007年に流行語大賞を取り、その後、一般に広まった言葉です。

私も表現だけは聞いたことがあるなと思っていました。

 

この鈍感力とは、人の気持ちを理解できにくく、

あまり人の気持ちを顧みようとせず、

気遣いや気を揉んだり、気を回すことをせず、

相手の顔色を見て発言するのではなく

自由に発言するような人の事を指すようです。

とは言いましても、最近作られた言葉なので、

様々な考えや表現があるようです。

 

「阿吽の呼吸」や空気や雰囲気を大切にしてきた日本では、

なかなか受け入れられなかった事ですが、

気を遣いすぎて何も出来なくなったり、

しんどくなった人が多くなってきた現在では、

一種の能力として認められるという事でしょうか。

 

周りの気持ちを考え、目の前の人の気持ちを大切にする事も大切です。

一方で、自分の気持ちを大事にし、保つことも大切な事です。

周りばかりを優先せず、時には自分の心を鈍感にして、

心を癒す時間を作っても良いのかもしれません。

 

だからと言って自分の心ばかりを大切にし、

周りの気持ちを一切省みないと、

困った時に誰も助けてくれる人が現れなくもなってしまいます。

 

大切なことはバランスです。

鈍感力と敏感な心を適度に保ち、

時には心を鈍感にして、心の健康を保っていきましょう。