カウンセリングへの期待と失望

私の所へカウンセリングの依頼をして下さる方には、

予約段階で、カウンセリングとはどういう物かをご説明しています。

 

具体的には、以下のような事を確認させて頂いています。

「カウンセリングは、こちらからアドバイスをおこない、
 現状を改善して行くものではなく、
 お話を通して、様々な事に気付き、心の変化を促すものです。
 カウンセラーはその気付きを促します。
 時には、向き合いたくない自分自身の嫌いな面と向き合うかもしれません。

 一回のカウンセリングだけでは効果が表れない事も多いです。

 それでも宜しいでしょうか?」

 

このような事を初めに確認させて頂いているのは、

カウンセリングに対して期待されている事と、

実際のカウンセリングが違う場合が多く、

その誤解を生じさせない為です。

 

ある方がいらっしゃいました。

その方のお話を聞かせて頂き、

気付きを促すようにカウンセリングさせて頂きました。

ただ、その方は最後に仰いました。

「何か凄いアドバイスが貰えるかと思いました。」

 

アドバイスを言う事は簡単です。

ただ多くの人は、様々な方からアドバイスを受けますが、

それを実行される方は非常に少ないと思います。

 

例えば、子供の頃に「一生懸命に勉強しなさい。後で後悔するよ」と先生から言われ、

その通りに一生懸命に勉強した方はどれだけいるでしょうか?

多くの方は、この素晴らしいアドバイス通りには動かないでしょう。

 

悩んでいる方に「クヨクヨ悩む事なんて止めて、前を向いて将来の事を考えよう」

という素晴らしいアドバイスは何の役にも立ちません。

 

この時に、自分自身の中で、

「自分は悩むことに何て膨大な時間を費やしたんだ。

 この悩むことを繰り返しても答えなんて見付からない!

 とにかく進まなきゃ!」

という思いに至った時に、始めてこの人も前に進む事ができます。

 

その為、私は一切のアドバイスをおこないません。

さらには、時には質問で、あまり向き合いたくない自分自身と向き合うような、

しんどい質問も投げ掛ける事もあります。

 

そのような面に向き合ってでも、現状を変えていきたい、

悩みを軽くしていきたい、そう思う方で無いと、

カウンセリングの効果があらわれ難くなるのです。

 

カウンセリングへ多大な期待を持って、

カウンセリングさえ受ければ楽になると考えている方もいますが、

少なくとも私のカウンセリングは、そのような事はありません。

カウンセリングを受けてから失望をされないように、

初めにお伝えさせて頂いています。

 

それでも希望される方にカウンセリングを受けて頂き、

非常に変わっていく方も多いです。

 

カウンセリングの依頼が増えてきているので、

今回はブログという形で、お伝えさせて頂きました。