イラショナルビリーフ

認知行動療法という名前を聞いた事はありますか?

 

現在、最も世の中に広まっている心理療法の一つで、

日本でも保険適用が唯一認められている療法です。

 

この基となっている療法に、行動療法や認知療法という物があります。

その認知療法のさらに基となっている物に、

アルバート・エリスが考えた論理療法という物があります。

 

この論理療法はABC療法とも言われており、

A:Activating event(出来事)=電車に乗り遅れる

B:Belief(信念、固定観念) =ちょっと遅れるが、大した事じゃない

C:Consequence(結果) =少しだけ残念な気持ち

という具合にABCの頭文字に沿って考えていくのです。

 

そして、このABCのBの部分が、非合理的つまりは、

自分を責めすぎる信念がある時に、人はしんどくなります。

 

例えば、

A:A(出来事) =電車に乗り遅れる

B:B(信念、固定観念) =今日の予定は全部狂った。もう駄目だ

C:C(結果) =一日中、落ち込んでしまう

という感じで、信念によって結果が変わります。

 

この自分を責めすぎるような考え方、または人を責めすぎるような

非合理的な信念をイラショナルビリーフと言います。

 

この時、カウンセリングの中では以下のような物が続きます。

D:Dispute(論駁)

E:Effect(効果)

これは、非合理的な考え方をする人に、

本当にそうなのかと問い質すのです。

 

例えば、電車に乗り遅れると本当に一日の全ての予定が狂ってしまうのか、

本当に分刻みでのスケジュールなのか、聞いていくのです。

 

そして違った時(多くは違います)には、もう一度、信念と結果を聞き、

その後の効果(どのように感じるか)を聞いていきます。

 

すると、心が楽になったり、次に同じような場面に遭遇しても、

しんどくなりにくいのです。

 

もちろん、中には非合理的な信念とは分かっているけど、

どうしても変えられない方もいます。

その時には、そのどうしても変えられないと思っている

非合理的な信念は何かを考えていく必要があります。

 

このような療法を一つ一つ身に付けて、

私の所に訪れて下さるクライアントが、楽になって頂けるよう、

支援させて頂きたいと思います。