相手の前に存在する

「『相手の前に存在する』という事は、カウンセリングにおいて

非常に重要なことです。」

 

これだけを聞くと、誰でも出来る簡単な事だと思いませんか?

しかし、相手の前に100%の状態で存在するという事は、

実は、とても難しいことなのです。

 

 

皆さんは、相手の話を聞いている最中に、他の事を考える事はありませんか?

 

例えば、友人から学校や職場の悩みを聞いている時に、

この友人はいつも同じ事を繰り返しているな~、とか。

昨日のテレビでも同じような事を言っていたな~とか。

さらには、今日の夕飯の事を考えたり、何時に話が終わるか考えたり。

 

相手の話に耳を傾けて、じっくり聞いていない、

なんて事はありませんか?

 

 

この耳を傾けていない時、意識を傾けていない時は、

相手の前に存在していません。

例えば、この友人はいつも同じ悩みを話しているな~と

思った時には、過去の話を思い出しながら聞いているので、

話半分にしか聞いていないでしょう。

すると、相手の前に50%しか存在していないのです。

 

夕飯の事や、何時に終わるかな~、なんて考えると、

それは相手の前に存在していないのと一緒なのです。

 

 

カウンセリングの時には、気になる事があっても、

それは心の片隅に置いておき、目の前の人の話に耳を傾けて、

100%の状態で相手の前に存在する。

つまり、相手の話を聞き、一緒に考える存在で在り続ける事が

必要なのです。

 

 

これは、実はカウンセリングだけではなく、

子育てや職場でも一緒だったりします。

 

 

家事をしている時に、子供が話し掛けてきたら、

どのように対応しているでしょうか?

家事をしながら話を聞いていると、50%の状態でしか、

存在していないかもしれません。

 

手を止めて、子供の目を見て100%の状態で話を聞いてあげると、

子供と今以上に心が通じるかもしれません。

 

もちろん、忙しいと思いますので、時々で結構です。

心掛けて下さい。

 

 

職場でも、部下からの相談に50%や、ひどい時には20%ぐらいの

状態で存在していない、なんて事はありませんか?

皆さんも忙しく、余裕がない事も非常に分かります。

ただ、時々、100%の状態で存在していく事で、

部下の態度も変わるかもしれません。

 

相手の前に存在する事を心掛けていきませんか?