「言葉」と「概念」

「辛い物が好きなんです。」
と聞いて、この人はどういう食べ物が好きだと思いますか?

 

カレー・キムチ・チリドッグ、辛い食べ物はたくさんあります。

全部、好きな人でしょうか?

 

実は、詳しくお話を聞くと、カレーやチリドッグは好きですが、
この人にとってキムチは酸っぱい物に分けられて、
そんなに好きじゃ無い、という事があります。


「私は販売一筋で生きてきました。今後も、販売がしたいです!」
という人がいた時に、
「あぁ、この人は販売をしたいんだな。」と考えた瞬間に、
この人の考え方とズレてしまう事があります。

 

この人は、過去に自分が経験した販売、例えば家電量販店での
店頭販売員をやっていたとします。

すると、この人は、過去のイメージのままの販売を求めているのです。

 

液晶テレビをPRしなくても売れていた時代、
ネットショッピングが無くて、他店よりも必ず安くしますと言えば、
即断で買ってくれた時代の販売が得意だったとします。

 

では、この方は今の家電量販店で販売として活躍できるでしょうか?
難しいかもしれませんね。

 


ただ、この人は、結果が見える仕事が好きかもしれません。
人と話す仕事が好きかもしれません。
そして、賑やかな仕事が好きかもしれません。

 

すると、この人は、
「大勢の人がいる賑やかな場所で、結果が目に見えて、人と話す仕事をしてきました。

 今後も、そういう仕事がしたいです」
という事を言っているのです。

 

初めの「販売一筋できました。販売がしたいです」という言葉とは、
言っている事は一緒でも、随分と違う印象になりましたね。

 

販売でも、ネット販売の仕事は、この人の考えとは違います。
もしかしたら販売以外でもこの人の希望に合う物があるかもしれません。

 


これは、仕事だけでは無く、人の悩みも同じです。
「人が怖いんです。」とカウンセラーに相談して下さる方も、
本当に全ての人が怖いわけでは無く、このクライアントが考える
「人」という概念を聴き、本人にもその概念を整理して貰う必要があります。

 

「勉強が嫌い」も同じです。
「やる気が出ない」も同じです。

 

「言葉」に捉われ過ぎず、「概念」に着目しましょう。
そんな事を、前回のスーパーバイズで学ばせて頂きました。

 

深イイですね!