とあるカウンセラーの言葉

ふと心に残ったカウンセラーの言葉があります。


「カウンセリングに行く時には、
 自分の答えを持たずに行って下さい。
 
 答えを持ってカウンセリングを受けると、
 その答えに辿り着かないとカウンセラーに失望し、
 その答えに辿り着いても何も変わらないからです。

 だって、その答えを持っていても、
 現在の悩みが少しも解決されないから、
 カウンセリングに行くのですから。」


カウンセリングの中で、クライアントの気持ちに共感する事は大切ですが、
クライアントの言って欲しい事だけを話して、
結局、何の変化もないまま帰ってしまわれるのは、
あまりにも勿体無い事です。


そこに気付きや、問題解決の糸口や、
気持ちの後押しがあれば、
カウンセラーとの時間は素晴らしい時間になると思います。


これを妨げるのが、クライアントがあらかじめ
自分で用意した答えなのかもしれません。


何を話そうか、脈絡も無く話してよいのか、悩む方がいますが、
脈絡無く話して下さって結構です。
それを整理し、一緒に考えるのがカウンセリングだと私は考えています。

 

カウンセラー仲間で練習をおこなう時があります。
その際に、答えを用意してクライアント役を演じる方がいると、
練習にならない時があります。


それは共感や傾聴の練習にはならず、
ただの答え探しの練習になるだけです。
すると、意味の無い練習に終始してしまいます。


勿論、答えを言って欲しいクライアントは喜ぶと思います。
ビジネスとしては良いかもしれませんが、
心理の専門家としては、クライアントにとって本当に必要な支援を
考えていく必要があると思います。


そういう思いを、とあるカウンセラーの言葉から感じました。