怒って相談に来る方

ごく稀に、カウンセリングに来た途端に
攻撃的な方がいます。


大声・物を音を立てて置く・睨み付ける・机を叩く。


ただ、この方は別にカウンセラーを怯えさせようと思って、
カウンセリングを受けに来る訳ではありません。
(中には、そういう性癖の方もいるかもしれませんが)


攻撃的な方は、大体はゆっくりお話を聞いていると、
声も落ち着き、睨む事や机を叩く事も少なくなります。


大体は別の誰かや何かに怒っていて、
その怒りが収まらないまま、
カウンセリングに来ています。


例えば、常に自分を抑え続けた両親、
何かする度に上手く事が進まず思い通りにならない事、
自分を認めてくれない環境、
色々な理由があります。


そして、この様に怒って来る方に共通しているのは、
誰も自分の話を聞いてくれる人がいない、
自分を分かってくれる人が少ない事です。

 

人は、自分に怒りを向けられると、
怒りを向け返すか、怯えて話しを聞かなくなります。
ですので、落ち着いて会話をする状況じゃなくなるのです。


そうすると、この方はますます怒りが溜まってしまい、
常に怒るようになってしまいます。
悪循環にはまってしまっているのです。

 

 

では、この方々は自業自得でしょうか。
私は、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
という、どっちつかずの思いを感じています。


普通に話しが出来る方も、少し環境が違えば、
この方と同じように、常に許せない怒りを抱えてしまうかもしれません。
そういう意味では、私たちはただ運が良かっただけかもしれません。


一方で、似たような環境でも、怒りを抑え込み、
人と落ち着いて話をしている方もいます。

 

だから怒りを抑えれず、人にぶつけて孤独になってしまうのは、
自業自得と思われても、仕方ないかもしれません。


私は、この人が自業自得かどうかは分かりません。


ただ、少なくとも、誰かが話しを聞く事で、怒りが和らぎ、
この人が落ち着いて人と接する事が出来るようになるのなら、
話しを聞く意味があるのかと思います。

 

そして、少しでも多くの人が、話しを少しずつ聞けるようになり、
ストレスや怒り、孤独感を感じる人が少なくなって欲しいと考えています。


そんな事を怒って相談に来た方のカウンセリングが終わった後に、
考えていました。