「感謝」と「内観法」

皆さんは、帰省され、お盆をゆっくり過ごされていますか?
私はいつもと変わらず、過ごしています。


さて、前回から引き続き、「感謝」に繋がる心理療法の「内観法」を
少しご紹介したいと思います。


「内観法」は、日本発祥の心理療法であり、
仏教の瞑想に通じますが、仏教的な要素を外し、
自分の生きてきた事を振り返っていく方法で、
現在は、世界の数カ国にも広がっている方法です。

 

やり方を簡単に説明すると、ホテルの一室のような所の片隅を屏風で囲い、
その中に篭ります。期間は1週間程度です。


その間、テレビ・携帯電話・インターネットは全て禁止。
ご飯もその部屋で取ります。


その屏風の中で、延々と過去の出来事を振り返り、
1~2時間ごとに来る支援の方に、思い出した事を伝えます。


振り返る過去の出来事というのは、具体的に説明すると、
まずは自分の母親の事から始めていきますが、
自分が小学生(もしくはそれ以前)の時に、

①してもらった事
②して返した事
③迷惑をかけた事

を思い出します。


これを思い出したら、次に中学生という風に年齢を上げていきます。
それを現在に至るまで行い、母親に関して思い出しきったら、
次に父親に関して、また小学生の頃に戻って考えていきます。

 

最初の1~2日はあまり思い出せないようですが、
3日目からは、どんどんと思い出していくようです。

 
これにより自分がして貰った事の多さや、周りからの愛情を再認識する事ができて、
自分や他人への理解や信頼が深まり、自分自身の存在価値・責任を自覚する事で、
悩みやしんどさが改善されていくと考えられています。

 

私は、これを一人で試みた事があります。
一日、5時間、ずっと過去の自分を振り返り、
思い出した事を全てノートに書き留めました。
集中しすぎて、頭痛がしていたのを思い出します。


すると、今までの人生で自分が見てこなかった部分に気付き、
相手の立場を考える事を生まれて初めて実感しました。


その時は、何とも言い難い感謝の気持ちに包まれました。
これは私の考えですが、「感謝」は人の為にするものではなく、
もしかすると自分の為にする事かもしれません。


この「感謝」は対人関係を改善する鍵として、研究もされています。


ただ、「ありがとう」と言うだけではなく、
心の底から感謝をした時、人は良い方向へ成長し、変化していきます。


ちょうど、お盆休みです。


私たちが、今、ここにいる事を、
ご先祖様に感謝してみませんか。


振り返ると一万年以上前からあなたが生まれる為に、
精一杯生きてきたご先祖さまを感じる事ができるかもしれません。