言葉合わせ、目線合わせ

2回続けて、コミュニケーションのお話をしてきました。

そんな中、先日、私が講師をさせて頂いたセミナーの中で、

まさにコミュニケーションにまつわる課題が参加者の中から出てきました。

 

その内容は簡単に言うと、言葉の食い違いです。

 

例えば、皆さんは「くも、綺麗だね」と言われた時に、

何を想像しますか?

多くの人は「雲」を想像するかもしれませんが、

もしかしたら「蜘蛛」の話をしているかもしれません。

 

これはとても簡単な例ですが、

似たような事がセミナーの中で起こったのです。

 

それは、このような感じでした。

ある方が、「目標を持った方が仕事に対する意欲が出てくると思います」と言いました。

すると別の方が「目標を持っていてもそれが意欲に繋がるとは限らない」と言いました。

 

さて、この2つの意見はどちらも立派な意見ですが、

話し合いとして成り立っていると思いますか?

 

実はあまり成り立っていません。

 

初めの方は「仕事の中での目標」の事を言っているのに対して、

後の方は「人生の叶えたい夢としての目標」の事を言っています。

 

確かに、将来エベレストに登るぞ!という夢を持っている人が、

一生懸命、仕事に取り組むかは分かりません。(取り組むかもしれませんが)

一方で、将来この会社の社長になりたい!と思っている人は

一生懸命、仕事に取り組むでしょう。

 

この話の前提が食い違ったまま、話し合いや議論をしても、

お互い違う事を話しているので、話は平行線を辿り、交わりません。

そんな時には、どちらかが気付いて、

「人生の目標の話も大事だから後でしよう、今は仕事の中での目標が必要と思うか話さないか?」

と言葉の食い違いを改めて、「言葉合わせ」をする事が大切です。

 

 

さらに、もう一つ大切な事が、「目線合わせ」です。

例えば、先程の話はある一人の部下の事を上司の2人が話していたとします。

その際に、この部下の立場やこの部下の思いを考えているかどうかです。

 

もしかすると、既に部下は「仕事の中の目標」を持っているかもしれませんが、

それが上司には見えていないだけかもしれません。

すると、この話し合いの意味が無くなり、

次には「目標を持っているが、仕事に積極的に取り組めないのはどうしてか?」という

話をする必要があります。

 

自分たちが何か阻害(話を聞けていない)しているのか、

目標を言いにくい環境を作っていないか、

そもそも、部下が考えている目標を、どんな目標だろうと「それは良い目標だ!」と

受け入れる準備はできているのか。

部下の目線に立って、考える必要があります。

 

これは会話の中でも同じで、相手の考えを想像しながら、

都度確認しつつ、話していくと、スムーズに話をしてくれる事が多くなります。

 

今日の内容は、セミナーの中で出てきた「言葉合わせ・目線合わせ」を取り上げていきました。

会話の例は、セミナー内の内容とは全く違いますが、

参加者はこのような「言葉と目線」を一生懸命に考えながら、

苦心しつつ、話し合いを行っていました。

 

私も精一杯のサポートをしますので、

成長していって欲しいと思います。