自分との闘い

突然ですが、カウンセラーの辛い時を考えてみました。


私にとってカウンセリングの中で一番辛い時は、
クライアントが亡くなられた時だと思います。


幸い私はまだ、この体験は味わってはいません。
ただ、「死にたい」という言葉をクライアントから言われるだけで、
非常に辛い気持ちになります。


きっとクライアントが亡くなられた時には、
言い表す事のできない気持ちになる事でしょう。

 

そして、二番目に辛い時は、
クライアントが苦しんでいる時に、
このようにすればいいかもしれないという案を思い浮かんでも、
それを、クライアントの成長を考えて言えない時だと思っています。

 

昨日、ある相談員が、一人のクライアントが仕事に悩んで相談に来た時に、
具体的に「このような仕事の段取りで、このようにしなさい」と
指示をしていました。


確かに、その通りにすればこのクライアントは一時的に、
悩んでいる状況から抜け出す事は出来る事です。

 

ただ、その方法がこの方にとって本当に良い方法かは分かりません。


この方が今回、困難を乗り越える方法を直接的に教わる事で、
そのやり方を理解し、工夫する事ができ、
次から似たような状況や違う状況でも対応できる人になれば、
今回の直接的な指示はこの人の為になると思います。


しかし、もし次に同じような困難が来た時に、
再度、直接的に教わらないと何もできない様な人になった時には、
結果的に学び取る機会を、カウンセラー自身が奪い取った事になります。


あたかも、過保護に子どもを育てすぎた結果、
何も出来ない、決めれない子どもに育ててしまい、
自立する事ができなくしてしまうのです。


もちろん、クライアントが本当に潰れてしまいそうな時には、
直接的な指示・支援も必要だと思っています。


私は考え過ぎかもしれないと、時々思います。


ただ、このように、クライアントにとって、
どの方法が一番良い事だろう、
という事はずっと考え続けると思います。


このジレンマが私自身との闘いなんだろうと、感じさせてくれた
クライアントと出会いました。


二番目に辛い時を、いつも味わいながら、
カウンセラーを続けていこうと考えています。