咄嗟の瞬間

人は予想外の事に接した時に、反応が出来なくなります。
つい今日も、私がまさにそのような事がありました。

混み合っている電車に乗っていて、
私が立っていると、駅に着いた際に目の前で座っていた
おばあちゃんが席を立って、電車の出口に向かいました。

その席に座ろうと思った際に、落し物を発見、
小さな白と黒のシマシマのポーチです。
私が落し物ですよ、と声を掛けようと思って、
振り向いた際になんと5人ぐらい似たような格好をした
おばあちゃんが降り様としていました。
私は、その瞬間、どのおばあちゃんが忘れ物をした人か分からず、
頭がフリーズしました。

ポーチを見て、電車の出口を見て、ポーチを見て。
「どの人?」とか、「え?」とか、「どんな人だったっけ?」
とかいう言葉がグルグルと回っていました。

そしてドアが閉まって、出発した瞬間に、
「しまった!」と思ったのです。
「すみません、どなたか忘れていませんか?」と声を掛けるか、
私も降りて駅員さんに渡せば良かった、と後悔しました。

しかし、時既に遅し、電車は出発したので、
私は、降りた駅で駅員さんに落し物を預け、
状況説明してきました。

忘れ物した、おばあちゃん、ごめんなさい。
私の頭がフリーズしなければ、その場で忘れていました。

駅員さんに落し物があるので、聞いて下さい。
手元に戻る事を祈っています。