中らずといえども遠からず

この言葉を聞いた事がありますか?
これの意味は言葉通り、「的中はしていないが、だいたい推測どおりである事」という意味です。


こちらの語源をご存知ですか?
つい先日、参加した「ひょうご家庭県民大会」で
「江戸の子育てに学ぶ」という内容で法政大学の小泉教授が
お話された中に出てきました。


この言葉の語源は「養育往来」という子供向けに書かれた
子育ての教育本に書かれているのです。


正式な文章は、
「心(こころ)誠(まこと)に之(これ)を求むれば、中らずと雖(いえど)も遠からず。
 子を養うことを学んで、而(しこう)して后(のち)に嫁(と)する者は、未だ有らざる也」
です。


古文は学生時代は得意でしたが、今はすっかり忘れてきちんとした意味では
ありませんが、何となくの意訳は、
「心から子育て(之)を行なおうとすれば、その子育ては正しい事は無くても、間違いという事も無い。
 子育てを学んでから、その後に母親になる人は、未だいない」
という訳だと思います。(間違っていれば、ご連絡下さい)

 

これは子育てだけに関わらず、全ての事に通じていると思います。
何かを行なおうと考えた時に、心から取り組めば例え合ってはいなくても、見当外れという事もない。


さらには、自分自身が初めて何かに取り組む、例えば「頑固な性格を直す事」でも良いです。
これを生まれて初めてしようと思った時に、色々と不安が出ると思います。
続けれるのかな?頑固に戻らないかな?ありがとうと言って急に気味悪がられないかな?
このような不安が出るのは当然の事です。
ただ、やる前に色々と考えてもしょうがないです。
挑戦する前に、性格改善に取り組んだ時にどうなるか、

なんて分かる人なんて、今まで誰もいないのです。


自分が挑戦したい事に不安を感じても、挑戦する前に不安がゼロになる事はありません。
やってみてから、初めて分かるのです。
ただ、真剣に心から取り組めば、中らずと言えども遠からずです。


この気持ちで、物事に取り組んでみましょう。

 

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コメント: 2
  • #1

    小泉吉永 (火曜日, 06 3月 2012 12:43)

    講演にお越し下さりありがとうございました。講師の小泉です。
    「中らずといえども遠からず」の語源は、『養育往来』ではなく、四書の一つ『大学』です。その言葉が『養育往来』に引用されているのです。
    できれば、出典の『大学』の原文でその言葉の前後もお読み下さい。より理解が深まると思います。ご参考まで。

  • #2

    中村健三郎 (水曜日, 07 3月 2012 09:49)

    >小泉先生

    わざわざ、ご連絡頂き、ありがとうございます。
    「大学」という本の中に書かれているのですね。
    調べて、読んでみます。

    本当にありがとうございます。