人による物差しの違い

人は忘れてしまう生き物と何度か書きました。

この忘れるというのも一つの素晴らしい能力なので、

上手く活かせれば良いと書いた事もあります。

 

今日の内容も、上手く活かせれば良い物の一つになります。

 

それは、人によって「物差しが違う」という事です。

 

例えば、人と会う時に緊張するという人がいたとします。

この方は、手は汗ばみ、喉は渇き、目も合わせれず、手も震える人だとします。

この方に対して、人と挨拶しても緊張しなかったり、緊張しても話す時に軽く噛むぐらいの人が

アドバイスをしたとします。

 

何てアドバイスをするでしょうか?

多分、「落ち着いて挨拶すればよいよ。」「そんな緊張する事ないよ。」

という言葉が多いのではないでしょうか?

 

これは、自分が持っている物差しで計っているので、相手の気持ちを分かっていないのです。

例えば、自分が30cm差しを持っており、相手は5cmの差ししか持っていない。

そんな人に、「28cmを計るのは簡単だよ。一回で計れるば良いだけだよ。」と言っている様な物です。

 

ついつい人は、それぞれの持っている物差しは長さが全く違うと知っているのに、

自分が出来る事ですと、相手も相手も当たり前に同じ事が出来る。

同じ物差しが出来ると思いがちです。

 

そして、自分よりも良い物差しを持っている人を見付けると、

相手の物差しを羨ましがったり、良い物差しを持っている人はきっと短い物差しを持っている人の

気持ちなんて分からない、そんな風に思ってしまう事があります。

 

 

人は忘れる生き物です。

人によって物差しが違うという事も、常に覚えている工夫をして、

相手に何かを教える時は、どんな物差しを持っているのか確認しながら話し、

自分よりも長い物差しを持っている人には素直に教えて貰う。

 

それを行えるようになると、しんどさが随分と軽くなる、

そんなクライアントに出会った一日でした。

 

Fさん、公開のご了承頂き、ありがとうございました。