記憶と感情

昨日カウンセリングの中でクライアントが、

 

「以前の自分は、学生時代はしんどかった事しか思い出せませんでしたが、

 今では不思議とそういった事を忘れているんです。

 今が楽しくなってくると、昔の辛かった事が思い出す事が無くなってきました」

 

と仰っていました。

 

この方は数回カウンセリングを受けられ、

過去のしんどさを整理された方で、

今では随分と楽になる考え方が出来るようになった方です。

 

私は、

「それは良かったですね。以前のご自身から随分と変わったのを実感されているんですね」

と答えさせて頂きました。

 

人は、不思議と現在の感情と、過去の記憶や、未来の予測が混ざったりします。

 

どういう事かと言うと、

今が辛いと、過去も辛かった記憶を思い出しやすくなり、

過去も今も辛かったら、未来もきっと辛いだろうと考えやすくなります。

 

 

逆に、今が幸せなら、過去も幸せだった記憶が出て来やすくなり、

今が幸せで、過去も幸せだから、未来もきっと幸せだろう、と感じやすくなるという事です。

 

この方はカウンセリングの中で、少しずつ幸せな事、感謝できる事を思い出していき、

現在は幸せだと思えるようになってきたのです。

 

ここで注意する事は、今しんどい人に突然、

楽しい事を思い出せと言っても、なかなか出てきません。

ゆっくりと一緒に話しながら思い出していかないと出て来にくいのです。

 

記憶と感情、まったく別のような気がするけれど、

密接に関わっているのです。