教え

常に心掛けたい教えを学びました。

 

「ある所に非常に有名な高僧がいました。

この方は物事を凄く悟っているのですが、

めったに人に会わない事でも有名でした。

 

そんな高僧の所に熱心な勉強家の僧侶が

教えを受けたいという事でやってきました。

 

僧侶は高僧に出会ったとたん、日頃の疑問を次々とぶつけてみました。

ところが、高僧は全く疑問に答えてくれません。

 

それでも僧侶は諦めず高僧のいる近くに住み、

毎日毎日、粘り強く教えを乞うたのです。

数週間という日々が過ぎましたが、まだ高僧は質問に答えてくれません。

 

我慢できなくなった僧侶は、「 あなたが有名な高僧だと聞いて、

こんなに熱心に毎日質問しているのに、どうして答えてくれないのですか?」

と憤慨しながら聞いたのです。

すると高僧は僧侶を見つめ「悪いがわしにお茶をついでくれないか?」と頼みました。

僧侶は訳が分からないまま言われた通り、お茶を注ぎ始めました。

高僧は「わしがいいというまで注いでくれ」と言いました。

 

僧侶は湯飲みに急須でお茶を注ぎ続け、やがて一杯になりました。

ところが、高僧はいつまでたっても止めていいと言ってくれません。

やがてお茶が溢れ出した時に僧侶は言いました。

「お茶が溢れているのが見えないのですか?もうこれ以上はいりません」

 

すると高僧は言いました。

「いいか、この湯飲みはお前と同じだ。お前の頭は知識でいっぱいになっている。

新しい教えが入る余裕など全く無い。私はお前の頭が新しいことを

受け入れられるようになるまで教えるのを待っているのだ」。」

 

 

私自身、この僧侶のようになっていないか非常に考えさせられました。

 

頭に知識を詰め込み知っているけど、

自分の物になっていなくて、役に立っていないかったり。

 

頭でっかちになり、本当に必要な事が入っていなかったり。

 

むしろ必要な事に対して違う知識を知っているから、

必要な事なのに否定しに掛かったり・・・。

 

なんて事もあると思います。

 

 

常に初心を忘れず、新鮮な気持ちで教えを請う姿勢を持ち続けたい。

そんな事を学ばせて頂きました。