相談者は相談に来る前から、色々な想いや悩みを抱えているということは当たり前のことです。
例えば、社会人2年目の人が、相談に来たとします。
その方は悩みが今日できたから相談に来るのではなく、
上司との関係が入社1か月から2か月目から存在し、
分からないことがあって聴きに行っても自分で考えろと言われてしまう。
このまま、ここに居てもいいんだろうか、
そんなことを悩みながら「でも、せめて3年居ないと…」と考えて1年以上経ち、
「このままじゃダメかもしれない。」そんな風に自分が分からなくなって、
勇気を振り絞り数千円という決して安くない値段を払って、相談に来ます。
散々、悩んで、これで解決するのかと不安になって相談に来るわけですね。
このような想像を、相談者の状態を想像し、理解し、寄り添えた心持ちで
相談者と向き合えているかどうかは、本当に大事なことだなと最近、思います。
何故なら、この想像ができていなくて、相談者が来た際に、
状況の説明(上司とコミュニケーションが上手く取れない)だけを聴いたときに、
「あなたはまだ1年しか経験していない。そんなすぐに仕事が分かるわけではないので、
せめて3年吐いた方が良いよ」というアドバイスをする人もいます。
もし、相談者が相談に来てくれた過程を想像できていたら、
絶対に、こんな安易なアドバイスは出来ないと思います。
まるで、今日、ちょっと軽く悩んで相談に来た人という想定でのアドバイスですね。
相談は相談が開始する前から、目の前に座る前から始まっていると思います。
それは相談を受ける側としての在り方や、姿勢の部分がスタートですね。
これは、何もカウンセリングやキャリアコンサルティングだけではないのかもしれません。
色々な会社で取り組まれている従業員面談や1on1でも同じです。
何気ない相談でも、実は1週間前からこれを話そうと心に決めて、
でもどう反応されるのか怖いから、できるだけ気軽に話そう、そんな風に考えているのかもしれません。
目の前の人は、どんな気持ちで今日、来たんだろうか、この話をしているんだろうか。
そんな想像を大事にしていただきたいと思います。