現在の最先端の医療技術、科学技術、心理学など
全ての学問・技術は様々な経験や研究の積み重ねでなされています。
ただ、このように述べるとついつい、最先端の研究などが
全ての答えで、真理のように感じてしまう方もいます。
今の最先端の技術や知識、研究成果は全て様々な仮定の積み重ねです。
そして、今の最先端の技術や知識に対して、その論証を否定する仮定が出てきた場合、
最先端の技術や知識が全てひっくり返ってしまうこともあります。
うつ病に対して、10年以上前に最先端と言われたSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)という薬は
一時期、副作用が少なくうつ病の特効薬のようにうたわれていました。
しかし、現時点では、そこまで効果的ではないという論文も出てきています。
電気信号によるうつ病の治療に関して、アメリカでは10年近く前から研究がすすめられ、
一定の効果が表れている方も出てきています。
ただ、それでも治療がスムーズに進んでいない事例もあります。
うつ病の治療に関しては、アメリカは最先端ではあり、
日本は後進国ではありますが、
一方で、アメリカで行われている治療は全て効果が出ているかというと、
そういう訳ではありません。
様々な試行錯誤をしており、次々に最先端の研究を続けて、既にある治療や技術よりも、
さらに効果的な方法が無いかという研究がなされています。
このような状況があるため、そこに携わる私のようなカウンセラーも
常に試行錯誤を積み重ね、研鑽を積み重ねて
クライエントに臨む必要があると考えています。
今までの方法だけではなく、少しでも支援に効果的であることがあれば
学んでいく必要があると思います。
つい、一度学んだ治療技術が全ての真理のような感覚に陥ってしまいますが、
決してそういう訳ではありません。
未だ、世の中からうつ病が、精神疾患が無くなっていないという事は、
カウンセラーには勉強などの研鑽が必要だという証拠だと思います。
そのような事を、一つのカウンセリングにこだわる後輩カウンセラーに対して伝えました。
私も、少しでも学び、相談者に支援できるようになりたいと考える今日この頃です。