誰か友人や、同僚や、子どもなどから今後の事に関して相談されるということはないでしょうか。
それは信頼されている証であり、相談されることを嬉しいと感じる方は多いと思います。
しかし、相談されたからと思って、一生懸命に自分の経験や体験を説明したのに、
全く違う行動をされて、折角相談に乗ったのにモヤモヤするということはありませんでしょうか。
相談されるということは、何か意思決定をしたいということだと思います。
この意思決定にはどんな行動をするという以外にも、行動しないという意思決定もあります。
ただ、行動しようかどうしようか悩んでいる、どんな行動をすればいいか悩んでいるという状態で
どうすれば自分自身で整理をしたいと思って相談をする方が多いと思います。
そんな人に相談に来られたら、折角だし力になってあげたいと思うと思います。
では、どうすれば力になれるのでしょうか。
色々な方法がありますが、意思決定のプロセスを理解するのも一つかもしれません。
この意思決定の研究は沢山ありますが、
私が好きな「計画的偶発性理論」(人生の8割は偶然の出来事で構成され、その偶然を前向きにとらえると人生が前向きになるという理論)を唱えたクランボルツさんが、7つの意思決定のプロセスを唱えています。
その意思決定のプロセスはざっくり説明をしますと「明確→計画→検討→評価→予測→除外→行動」です。
1.問題の明確化:問題は何かを明確にしていく。問題解決後のイメージも明確化すると意欲につながる。
2.計画を立てる:問題解決に必要な計画を考え、期限などを設定していく。
3.選択肢を検討:方法の選択肢や取れる行動についての情報収集、主要な選択肢の選定をする。
4.相談者の評価:スキル・知識・経験等を評価する。価値観の明確化や優先順位をリスト化する。
5.予測の検討:各選択肢について評価を含めた結果を予測する。そこでの利益、損失などを検討する。
6.選択肢の除外:予測の検討の結果から選択肢を比較し、利益の低いものや損失が大きいものを除外する。
7.行動:選択肢の除外の結果、残った選択に基づき実際に具体的な行動計画を立てて実行していく。
このようなプロセスが存在するのですが、何となく頭の中で考えるとごちゃごちゃになり、
どんな選択肢があるかを考えている最中に予測の検討をしたり、
相談者の価値観を考えないまま、選択肢を絞ろうとしても相談者は納得しません。
これらのプロセスを丁寧に一つずつ整理すると意思決定の行動の後押しをできますし、
相談者自身で考えてもらうこともできます。
そして、これは自分自身が意思決定をしたい時にも活用できる方法です。
なかなか自分んお価値観や培ってきたスキル・経験・知識をリスト化することは少ないと思います。
ただ、これらをリスト化することで、自分自身の自信にもつながります。
是非とも取り組んで頂き、自分にも周囲の人にも意思決定を後押しできる存在になって頂きたいと思います。