この数回は人の欲求を取り上げてきましたので、
今回は性欲を取り上げたいと思います。
睡眠欲と食欲は生死に関わる欲求ですが、
性欲は満たさなくても生死には関わりません。
しかし、心には密接に関わっています。
心理学を学ぶ時に必ず学ぶジークムント・フロイトという方がいます。
この方は1893年のドイツ、ヴィクトリア時代の精神科医で、
この時代は性的なことがタブーとされている時代でした。
例えば、妻のいる夫を好きになってはいけない、
そんな想いを抱えるのは不貞だ、という風に性的な事をいけないと
されている時代だったそうです。
そんな時にフロイトの元には、多数のクライエントが訪れ、
話を聞いていく中で、その好きという気持ちを無理やりに抑えたり、
性的な欲求を感じる自分を駄目だと思うコトで、
心の病に掛かり、足が動かなくなったり、
不眠などの症状が起こっているという事を発見していきました。
この方は精神分析療法や夢分析という手法を編み出し、
多くのクライエントを助けていきました。
この様な性的な事をタブーと考えて、様々な症状を訴える方は
沢山いらっしゃいます。
例えば、親から性的なことはいけないと教わり、
そのままの想いで大人になった方は、
自然と異性を好きになることさえ駄目と自分を責めてしまい、
体調を崩してしまったり、ヒステリックになってしまう方もいます。
一方で、無理やり性的なことをされたせいで、
トラウマの様になり、性的なことを感じる場面で
嫌悪感を感じる方もいます。
これは、男性・女性の両方にあり得ます。
欲求は誰でも感じることですが、
人は感情の生き物でもあり、時に欲求を上回ります。
その感情の裏側には、認知という人それぞれの思考の癖があります。
カウンセリングではこの思考の癖を発見し、
感情を落ち着かせ、しんどく無い様に過ごしていただく事です。
何か自分がおかしいと思う事があれば、
無理をなさらず、誰か受け止めて下さりそうな人に、
ご相談なさって下さい。
コメントをお書きください