過去に幾度か、ご説明したスーパーバイズを今日も受けて来ました。
スーパーバイズとは、カウンセラーが自分より経験豊富なカウンセラーに
指導や助言を受けるためのカウンセリングや勉強会の事です。
そこで、クライアントさんに寄り添い、自己概念を深める事を
改めて勉強しました。
という事を書いても、理解し難いと思うので、
簡単にご説明しますね。
自分というのは、自分の事が分かっているようで、
案外分かっていない場合が多いです。
例えば、「宿題をしないから子供を叱る親」がいたとします。
この方は言うのです。「本当は、叱りたく無い・・・」
ここで本当に叱りたく無いなら、叱らなければ良いのです。
でも、言うのです「叱らないと宿題をしないので・・・」
この時に、この親御さんの本心を予想して
「実はあなたは、子供の将来に対して自分が抱いている不安を、
宿題をさせているという事で、拭い去る為に、叱っているだけです」
と言う事も出来ますが、あまり意味はありません。
むしろ、心の準備が出来ていなくて反発をされたり、間違った予想を言う事もあります。
この時には、親御さんに寄り添って「子供が宿題をせず嫌ながらも叱ってしまう」
という事に耳を傾けると、色々な気持ちが出てきます。
「本当は叱りたく無いけど、子供の将来の為に叱っている・・・」
「子供が授業について行けなくなるのでは・・・」
「立派な大学に入れないと不幸になるのでは・・・」
「親としては、子供に幸せになって欲しい・・・」
「自分の幸せの為に、子供には、今、頑張って欲しい・・・」
すると、この方の中で、はっきりとした言葉になっていなかった
気持ちが、言葉になって出てくるので、思いも寄らなかった自分自身に
気付く事ができるのです。
例えば、「宿題をする事 = 幸せな将来の為 = 子供の幸せの為 」と言っていますし、
「宿題をしない = 授業について行けなくなる = 不幸になる 」と思っています。
この様に聞いていくと、親御さんの考えが分かってきます。
この考えを親御さん自身に喋って貰い、自覚して貰うのが自己概念を
深めるという事なのです。
ある程度まで深まったら、
「あなたは、宿題をしてきたから今、幸せなのですか?」と聞いたり、
「お子さんは、今はどんな幸せを望んでいるのですか?」と聞いて、
考えを整理して貰ったり、
「幸せな将来って、どんなイメージですか?」と聞いて、
さらに自己概念を深めても良いのです。
すると、自分自身の理解や、誤解していた想いが判明して、
自分が本当は何をしたいのか、が分かってきます。
「親が幸せを与えられるのは今だけです。
その為に、子供が何をしたいのか、叱るのでは無く、
きちんと聞き、子供を信じてみようと思います。」
と言うかもしれません。
これが、自己概念を深める事の大切さです。
「それよりも、親御さんが困っている子供が宿題をする方法を考えた方が良いと思います」
という考えも出てくるかもしれません。
例えば、ご褒美を与えたり、自分に合った学力レベルの塾を探して学ぶ喜びを見つけさせる。
この方法を行うと、親御さんは喜ぶかもしれません。
ただ、宿題をする様になっても、挫折や幸せではない結果が出る事はあります。
その時に、この親御さんはどうするでしょうか。
また、相談に来て、話をするかもしれません。
「子供が反発をしてきます。どうしたらいいでしょうか。」
この事に対して、スーパーバイズの先生は、非常に上手い表現をされました。
「
皆さんが、うどん屋をしていたとします。
お客さんに、何か美味しい物を作ってと言われて、作れますか?
作れませんね。
では、お客さんが自信なさげに「きつねうどん」と言った時に、
皆さんはすぐに作り始めますか?
突然、「やっぱり、たぬきそば」と言われるかもしれません。
すると、作った物を作り直さないいけません。
そうならない為に、自分が何が欲しいかを考え納得して注文した後に
ようやく「きつねうどん」を作れます。
自己概念を深めずにカウンセリングする事は、
美味しい物を作ってと言われただけで作る事や、
自信なさげに注文された物を作る事と同じです。
美味しくなかったり、納得が無いとお客さんは、
怒ったり、期待を裏切られたと思って二度と来なくなります。」
相手が何を感じて考えているのか、きちんとお聞きする事。
これは、遠回りに見えるかもしれませんが、
その人自身の成長に繋がる一番の近道です。
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